私の本業は、日本の伝統食品をはじめ、規模は小さいけれど誠実に食品造りをされている方々を、日本各地、さらには世界中を訪ねて発掘し、その食品の販売をお手伝いすることであり、効果が確認されているサプリメントや健康機器の紹介も大切な仕事です。
当社の経営基本は「独自性」。流行を追い求めて世評に迎合するのではなく、健康維持・増進に確実に役立つものを発掘し、消費者の皆さんに提供することが当社の使命と考えています。
そして私の個人的なライフワークとして、ボランティア活動があります。
その一つは、昭和五十五年に笹原正三氏によって考案された「バウンドテニス」です。バウンドテニスは、ラケットボールを原型にし、テニスと同様のルールで競技しますが、テニスのように広いコートを必要とせず、しかも運動量は十分という、誰でも手軽に楽しめるスポーツです。
健康づくりに、運動は欠かせません。バウンドテニスの楽しさを体験した私は、まずは地元広島県にこれを広めることにしました。
当初、午前中は会社の仕事に専念し、午後になると会社のことは専務やスタッフに任せ、自家用車にバウンドテニス道具一式を積んで広島中を駆け回っていました。
テレビやラジオにも出来るだけ出して噂が広がる様に努力して、バウンドテニスの楽しさを一人でも多くの人に知っていただけるよう頑張りました。
一九八三年(昭和五十八年)九月には、第一回バウンドテニス親善大会が広島で開催されるまでに普及しました。その後は、協会理事長としてバウンドテニス普及に走り回り、現在では副会長に引きましたが、バウンドテニスは特別な思いのあるスポーツで、今では日本全国で大会が開かれる、なくてはならない競技として定着しております。
「大和魂」に通じる合氣道
それからもう一つ、十三年前から私が力を入れているボランティアに「合氣道」の普及があります。
合氣道は、体の大きさや力のあるなしに関係なく、自身の「氣力」の鍛錬次第で自分より体や力の大きい人でも片手で倒すことができます。はじめのうちは「小よく大を制す」のが痛快で夢中になりました。
しかし、合氣道は単に相手を負かすだけの「武術」ではなく、心身の鍛練をすることで感性や直観力、洞察力など、人としての器を磨くことが合氣道の真髄です。そこで特に若い人たちに合氣道のすばらしさを知ってもらい、「大和魂」を守り続けていただきたいと、普及に力を入れてきました。
広島市中区の広島・安田中学校では、平成二十四年から一、二年生約四百五十人の武道の必修授業に合氣道が選ばれるなど、嬉しい話もあります。
同校で合氣道の指導をされている古谷貞雄さん(ビバ合氣道教室師範)は、
「女生徒たちの護身術にもなり、自分のペースで心身の鍛練ができる合氣道は、感受性豊かな年頃の中学生にはうってつけの武道です」と語ります。
ちなみに、初めて合氣道に接した子供たちからは、「実際に友達と挑戦してみて、不思議な力に驚きました」とか「合氣道の歴史は古く、伝統のある武道が今も続いているのはとてもすばらしいことだと思いました」といった素直な感想が多く聞かれました。
こうした声を聞くたびに、本業とともに、ボランティア活動にも情熱を持ち続けようと、四十周年の節目を迎えてあらためて決意する今日この頃です。